2015/08/26

日本語訳:Chronicles of the Five Companions - Part1

ESOの書籍"Chronicles of the Five Companions"(UESPリンク)の日本語訳です。

メインクエストの進行度合いに応じて停泊所(The Harborage)の片隅に追加されていく本です。
とてもネタバレなのでまだやってないところは読まないほうがいいよ。



第一章

私はスカイリムのリリス、タイタンボーンとも呼ばれている。友であり相棒である男、後世にただ「預言者」とのみ名を残すであろう人物に代わってこれを記している。彼の深い洞察と星霜の書の研究を通して、現在タムリエル全土を脅かしている脅威、その正体に我々は行き着いたのだ。

 まずソウルバーストについて説明しておきたい。その異変は第二紀579年、一人のエルフ…アルトマーの死霊術師であるマニマルコ、虫の王の裏切りにより引き起こされた。奴はデイドラプリンスの中で最も忌むべき存在であり、謀略の神、略奪の王として知られるモラグ・バルの下僕でもあった。

 その昔マニマルコは、皇帝ヴァレン・アクイラリオスに王室最高顧問として仕えていた。ヴァレンは元来コロルの伯爵であったが、征服によりタムリエルの皇帝の座を得た。ヴァレンはマニマルコの助言に従い、先の王朝でありロングハウス・エンペラーズとして知られるリーチメンによる野蛮な統治に反旗を翻した。征服し勝利を得はしたが、まだ真の皇帝ではなかった。先代皇帝レオヴィックとは異なり、ヴァレンには竜の血脈が流れていないからだ。真の皇帝が伝統に従い行うべきとされる、最高神の神殿にてドラゴンファイアを灯すことが、彼にはできなかった。

 ドラゴンファイアは数世代に渡って消えたままだった。聖アレッシアがアカトシュより賜ったアーティファクト、王者のアミュレットがレマン王朝の終焉後数百年に渡って失われたままであった為だ。第一紀の皇帝が代々受け継いだこのアーティファクトでのみ、正当な血統を持ちドラゴンファイアを再灯火できる王として認められるのだ。

 マニマルコの強い勧めにより、ヴァレンはこのアーティファクトを見つけ出すという途方も無い旅へ立つ仲間を集めた。私のほかに、レッドガードの剣客サイ・サハン、最高書記官アブナー・サーン、そしてマニマルコその人が加わった。数年を費やしてタムリエル中を探索し、数えきれない手がかりの果てに、ついに辿り着いた。

 我々が帝都に戻ったとき、マニマルコはヴァレンの不安につけ込んで正しい戴冠の儀式を執り行うべきだと説き伏せた。ただドラゴンファイアを灯すだけでなく、神々の御力と竜の血脈を得られるようアカトシュを説得するべきだと。それすらマニマルコの欺瞞の一部だったと皆が気付いたのは、戴冠の儀式を試みた後だった。

 虫の王は魔法によりアミュレットの力を汚し、ソウルバーストとして知られる惨事を引き起こした。実際に何が起こったかはほぼ私の記憶に無いが、直ちに壊滅的な混乱に巻き込まれることになった。

 ヴァレンはソウルバーストの苛烈な衝撃に巻き込まれ消滅したが、サイ・サハンと私が彼の死に関与しているのだと疑われた。サイが回復した直後に王者のアミュレットを持ち姿を消したことも、一層その疑念を強くする要因となった。最高書記官サーンは日和見主義者であったので、直ちにマニマルコの側についた。

 預言者の物語は不可解だ。彼はある日、シロディールの聖蚕会神殿の階段に腰掛けていたそうだ。僧侶達は単なる放浪者だと思い、彼を招き入れ食事を与えた。その夜、僧侶達は図書室にて預言者を見つけて驚くことになる。彼は星霜の書に刻まれた不可解な図案を熟読していたからだ。書を読むことができるのは聖蚕の僧侶だけであるため、預言者の訪問は神々からの兆しであると受け取られたのだ。

 それを目にする者が皆辿る運命であるが、星霜の書は結果として預言者の視力を奪い、彼は永久に盲目となった。しかし心の目で研究を続け、今日我々が相対している強大で恐ろしい脅威についての予見を得たのだ。

 予言は遥か遠くまで広がっていき、帝都にまで及びマニマルコの耳にも届いた。直ちに虫の王は風説の流布及び反逆罪で預言者を捕らえ、神殿を制圧し蔵書を灰と化した。

 預言者が警告した災禍が具現化したのはその直後だった。帝国の広大な領土はデイドラの炎に焼き尽くされ、最初のダークアンカーが大地に下ろされた。

 マニマルコの裏切りによってもたらされた、モラグ・バルの我々の世界へ対する侵略はこうして始まったのだ。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

翻訳ありがとうございます。
本の内容がよく理解できました。